2024/09/26
開催報告
開所式・キックオフシンポジウム開催報告

2024年9月26日(木)、慶應義塾大学再生医療リサーチセンターの開所式
ならびに、殿町・羽田再生医療拠点のキックオフシンポジウム
が川崎市川崎区殿町の島津製作所 Shimadzu Tokyo Innovation Plaza内で開催されました。
慶應義塾大学再生医療リサーチセンター
慶應義塾大学再生医療リサーチセンター(KRM:Keio University Regenerative Medicine Research Center、以下「KRM」と略称する。)は、
再生医療や疾患治療・予防の進歩、発展、および人材育成を通じて、人類の健康増進と福祉の向上に寄与することを目的としております。この目的を達成するためには、既存の枠組みにとらわれることなく、革新的な研究を推進し続けることが必要です。
具体的には、オーダーメード医療の提供、孤発性を含む様々な疾患のモデル化と病態の解明、再生医療技術の創出や創薬などが挙げられます。特に、iPS細胞創薬は、これまで治療法が存在しなかった疾患への新たなアプローチを提供する可能性を秘めており、KRMにとって重要な研究領域の一つです。
KRMでは、自由で創造的な発想を尊重し、先端的かつ独創的な研究が芽生える環境を整備しています。
また、次世代の研究者や技術者の育成にも力を入れ、国内外から優秀な人材を集め、彼らが持つ多様な知見と経験を結集することで、より大きな成果を生み出していきたいと考えております。再生医療およびiPS細胞創薬の臨床応用に向けては、生命・医療倫理の課題や、ゲノム・細胞・組織・臓器などの取り扱い、品質および安全性の確保といった課題にも取り組む必要があります。
これらの課題を解決するためには、関連する多様な研究分野との連携が不可欠です。KRMは、そのための橋渡しとなり、研究者同士の交流や共同研究を促進し、相乗効果を生み出すことを目指しています。

KRMでは、すでに脊髄再生やALS(筋萎縮性側索硬化症)、アルツハイマー病などの神経変性疾患に関する研究で、世界トップレベルの成果を発信し始めております。細胞や遺伝子を駆使し、これまで治療法が存在しなかった未解決の医療ニーズ(Unmet Medical Needs)に対応することを目指し、日本の首都圏における医学・生命科学分野の最強のエコシステムを構築するための先導的な役割を担ってまいります。

※【慶應義塾大学再生医療リサーチセンター・ウェブサイト】 https://krm-rc.jp/
※【KRM開所式・開催報告】 https://www.keio.ac.jp/ja/news/2024/10/16/27-162538/
殿町・羽田再生医療拠点
殿町・羽田再生医療拠点(CReM TONOHANE:Cluster for Regenerative Medicine in Tonomachi Haneda、以下「当拠点」と略称する。)は、
神奈川県川崎市川崎区殿町地区および東京都大田区羽田地区を中心に、再生医療・細胞治療の実用化および世界展開を加速するためのプラットフォームです。
東日本における再生医療のハブとして、様々な大学、企業、公的研究機関が集積し、研究開発を推進することを目的としています。
当拠点は、経済産業省「令和4年度第二次補正予算『再生・細胞医療・遺伝子治療の社会実装に向けた環境整備事業費補助金』」に間接補助事業者として採択され、慶應義塾大学病院他から提供される細胞をもとに、殿町・羽田の研究機関が品質分析と規格化を行ない、科学的根拠に基づく細胞品質評価基準を確立し、それをもとに再生医療製品用の細胞を作製し、最終的に藤田医科大学・羽田クリニックならびに慶應義塾大学病院で再生医療等を提供することを目指します。本拠点における運営の円滑化・効率化のため、殿町における事務局を慶應義塾大学殿町タウンキャンパス内に、また羽田地区における事務局を田医科大学東京先端医療研究センター内に設置しました。
シンポジウムでは、
当拠点企画部門長である藤田医科大学橋渡し研究支援人材統合教育・育成センター・教授の八代嘉美氏が開会の辞を述べ、ファシリテーターを務めました。本拠点運営委員会議長である慶應義塾大学医学部整形外科学・教授の中村雅也氏が拠点の取り組みや目標を紹介しました。また、株式会社ビジョンケア代表取締役社長の高橋政代氏をはじめ、多くの方々から応援メッセージをいただき、日本再生医療の発展を目指す意志が強調されました。
パネルディスカッションでは、
国立医薬品食品衛生研究所 再生・細胞医療製品部部長の安田智氏がファシリテーターを務め、経済産業省商務情報政策局商務・サービスグループ生物化学産業課・課長代理の幸寺玲奈氏、株式会社サイト・ファクト代表取締役社長の川真田伸氏、神奈川県産業技術総合研究所KISTEC 次世代ライフサイエンス技術開発プロジェクト・非常勤研究員の河合純氏、東京工業大学生命理工学院・准教授の相澤康則氏、一般社団法人RINK・代表理事の原田憲一氏より出席していただき、再生医療の産業化に向けた経済産業省の取り組みや本拠点への期待について議論が交わされました。
レセプションでは、
神奈川県知事の黒岩祐治氏、中外製薬株式会社・名誉会長の永山治氏、一般財団法人・国際医学情報センター・理事長の戸山芳昭氏より挨拶が行われました。シンポジウム登壇者をはじめ、産業界、アカデミア、政界など多方面から160名以上の方より出席いただき、当拠点の今後の発展について活発な意見交換が行われました。
※【殿町・羽田再生医療拠点ウェブサイト】 https://crem-tonohane.jp/
※【キックオフシンポジウム・開催報告】 https://www.keio.ac.jp/ja/news/2024/10/16/27-162538/


